アナログ出力ユニットと電空比例弁専用パワーアンプとの接続方法

更新日: 2021-08-23 09:17

はじめに

パソコンを利用した計測制御システムを構築するには、パソコンにセンサやコントローラを接続して、その計測データの入力や処理結果の出力を行うことが必要になります。今回は弊社のアナログ出力ユニットと電空比例弁専用パワーアンプとの接続の方法とドライバの入手、動作確認の方法など具体的な説明していきます。

 

コントローラの説明

今回接続するコントローラは、SMC株式会社製の電空比例弁専用パワーアンプ:VEA250を使用します。

このアンプは、SMC社製の電空比例弁を駆動するための専用増幅器であり、アナログ電圧信号の指令信号で制御することが可能です。

この解説では、VEA250との接続方法について説明します。VEA250と各種電空比例弁との接続方法については、SMC株式会社の取扱説明書をご確認ください。

 

1-VEA250

 

計測ユニットの説明

今回接続する計測ユニットは、「 AO-1604VIN-USB 」を使用します。

アナログ方式の電圧出力に対応しており、VEA250の仕様である0~5V入力を制御することができます。

バス絶縁に対応しており、VEA250の要求仕様である「外部指令信号の場合は、信号用電源とパワーアンプ駆動用電源とを、個別として、絶縁状態(共通グランドにしない状態)で使用してください。」を満たすことができます。

電線を直接接続できるスクリューターミナルブロックに対応しており、ケーブルや端子台を別途用意する必要がありません。

 

USB接続方式に対応した、弊社のアナログ出力製品は他にもあります。

必要な機能に応じて、適切なデバイスを選択してください。

型式 インターフェイス 特徴
AIO-160802GY-USB 14pinプラグコネクタx2 ノートPCで使いやすいコンパクト設計であり、USBバスパワーで動作するため携帯性にも優れています。アナログ入力変換速度が4μsec or 10μsecの違いで2種あります。
AIO-160802AY-USB 14pinプラグコネクタx2
AO-1604VIN-USB 10pinプラグコネクタx2 バス絶縁に対応しており、パソコンへの耐ノイズ性を向上。
差動入力に対応しており、信号源との電位差が生じても正確な計測ができます。出力レンジが電圧出力±10V or 電流出力0-20mAの違いで2種あります。
AO-1604AIN-USB 10pinプラグコネクタx2
AIO-120802LN-USB 10pinプラグコネクタx5 アナログ入力・出力だけでなく、双方向デジタル入出力とカウンタを搭載したマルチファンクションに対応したデバイスです。
アナログ入力チャネル数が8ch or 16chの違いで2種あります。
AIO-121602LN-USB 10pinプラグコネクタx6

 

ソフトウェアの準備

アナログ出力デバイス製品を使用するためには、ドライバのインストールが必要となります。

以降は、Windowsの場合を例に解説します。

 

ドライバインストール方法

    1. ドライバをダウンロードするには、会員登録(myCONTEC)が必要となります。
      コンテックのホームページにアクセスして、会員登録を行います。

  • https://www.contec.com/jp/download/
    にアクセスしてAPI-AIO(WDM)を検索し、API-AIO(WDM)のページにアクセスしてください。
    なお、API-AIO(WDM) for USBは古いドライバであるため、今回の評価では使用しないでください。
  • 「サポート・ダウンロード」のページから「Windows版高機能アナログ入出力ドライバ API-AIO(WDM) 開発環境(フル
    セット)」を選択してダウンロードしてください。
  • ダウンロードしたファイルを展開し、「¥INF¥WDM¥Aio_ForWin10¥Setup.exe」のインストーラを実行してください。

 

 

接続、配線の説明

PC側のドライバの準備ができたので、各デバイスを接続していきます。

 

コントローラとアナログ出力デバイスの接続

VEA250とAO-1604VIN-USBの信号結線表は以下のとおりです。

以下の配線組み合わせになるように、リード線を接続していきます。

 

2-配線図

3-コネクタ

 

リード線とコントローラの接続

リード線太さは0.5mm2を指定されているため、AWG20程度のリード線を用意します。

リード線の被覆部を4~5mm程度ストリップし、線材をコネクタの開口部に挿入します。

マイナスドライバーで線材の固定ネジを回して、線材が抜けないように固定します。

 

 

リード線とアナログ出力デバイスの接続

同梱しているインターフェイスコネクタ(コネクタプラグ)を使用して、リード線と結線できます。

先ほど結線したリード線の反対側の被覆部を7mm程度ストリップし、線材をインターフェイスコネクタの

開口部に挿入します。

マイナスドライバーで線材の固定ネジを回して、線材が抜けないように固定します。

その後、インターフェイスコネクタを製品本体に接続してください。

 

3-コネクタ2

3-コネクタ3

 

コントローラと外部電源の接続

センサ駆動には電源として、DC24Vが必要となります。

直流安定化電源やACアダプタ等から、VEA250のDC24V電源端子に接続してください。

 

3-コネクタ4

 

アナログ出力デバイスの電源接続

本製品は12-24VDC電源を接続して(セルフパワーで)使用する必要があります。

同梱のACアダプタ[POA201-10-2]を使用して、電源コネクタ部に接続してください。

4-電源接続

アナログ入力デバイスとPCの接続

添付のUSBケーブルを使用し、パソコンのUSBポートにAO-1604VIN-USBを接続してください。

 

5-PC-Device接続

 

動作確認

各デバイスの接続、電源起動の準備ができたので、ソフトウェアを使ってコントローラを制御していきます。

 

診断プログラム起動方法

          1. デスク画面左下のWindowsマーク(スタートボタン)を右クリックして表示されるメニューから[デバイスマネージャ]を起動します。
          2. CONTEC Devicesツリーの下に登録されたAO-1604VIN-USBを選択し、[プロパティ]ボタンをクリックします6-DeviceManager
          1. デバイスのプロパティページから[診断]ボタンをクリックして、診断プログラムを起動します。6-DeviceManager2
          2. 診断プログラム上で、アナログ出力の電圧値を変更することができます。
            初期状態では0Vが出力されています。
            そこから、下図のとおり出力データ設定を変更し、更新ボタンを押すことで、VEA250への出力電圧値を変更することができます。

7-診断プログラム

 

まとめ(出力データの活用/応用分野等)

今回は、診断プログラムを使用した出力電圧値の変更について説明となります。

API-AIO(WDM)をご使用いただくことで様々な開発言語を用いて自作のアプリケーションから、連続的な波形出力を含めた任意のアナログ出力が可能となります。

詳細は、ヘルプ及び、サンプルプログラムをご参照ください。

 

その他にもご使用の環境、用途に応じて

Linux用のデバイスドライバであるAPI-AIO(LNX)、LabVIEW用のVI ライブラリであるDAQfast for LabVIEWなどもご使用いただけます。

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