2軸傾斜センサ (センサテック IC-122EA) でX軸/Y軸の傾斜を検出する

更新日: 2021-06-30 16:15

はじめに

パソコンを利用した計測制御システムを構築するには、パソコンに色々なセンサを接続して、その計測データを利用することが必要になります。今回は弊社のアナログ入力ユニットと実際のセンサとの接続の方法とドライバの入手、動作確認の方法など具体的な説明していきます。

センサの説明

各種センサの選び方や活用方法については、技術コラムで掲載中の「センサとIoT機器」をご参照ください。今回接続するセンサは、センサテック株式会社製の2軸傾斜センサ : EIC-122EA を使用します。このセンサは、X軸,Y軸の2軸の傾斜を検出できるセンサであり、車両や機械器具等の傾き異常を検出することができ、転倒検知や盗難防止に役立ちます。
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水平時にはセンサから 2.5VDC の電圧が出力され、傾きに応じて 0.5VDC から 4.5VDC までの連続的な電圧が出力されるアナログ出力方式の仕様のセンサです。
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EIC-122EA のデータシート

 

 

計測ユニットの説明

今回接続する計測ユニットは、「AIO-160802GY-USB」を使用します。アナログ入力方式の測定に対応しており、0.5VDC ~ 4.5VDC の電圧を計測することができます。USBポートからの電源供給 (バスパワー) に対応しているため、ノートPCにUSBケーブルで接続すればモバイル計測ツールとして使用することができます。電線を直接接続できるスクリューターミナルブロックに対応しており、ケーブルや端子台を別途用意する必要がありません。USB接続方式に対応し、スクリューターミナルブロックが接続できるアナログ入力製品は他にもあります。必要な機能に応じて、適切なデバイスを選択してください。

 

型式 インターフェイスコネクタ 特長
AIO-160802GY-USB 14pinプラグコネクタ x2 ノートPCで使いやすいコンパクト設計であり、USBバスパワーで動作するため携帯性にも優れています。アナログ入力変換速度が 4μsec or 10μsec、アナログ出力機能が搭載 or 非搭載の違いで4種あります。
AIO-160802AY-USB 14pinプラグコネクタ x2
AI-1608GY-USB 14pinプラグコネクタ x2
AI-1608AY-USB 14pinプラグコネクタ x2
AI-1608VIN-USB 10pinプラグコネクタ x3 バス絶縁に対応しており、パソコンへの耐ノイズ性が高いです。差動入力に対応しており、信号源との電位差が生じても正確な計測ができます。入力レンジが電圧入力 ±10V or 電流入力 0-20mA の違いで2種あります。
AI-1608AIN-USB 10pinプラグコネクタ x3
AIO-120802LN-USB 10pinプラグコネクタ x5 アナログ入力・出力だけでなく、双方向デジタル入出力とカウンタを搭載したマルチファンクションに対応したデバイスです。アナログ入力チャネル数が 8ch or 16ch の違いで2種あります。
AIO-121602LN-USB 10pinプラグコネクタ x6

 

 

ソフトウェアの準備

アナログ入力デバイス製品を使用するためには、ドライバのインストールが必要となります。以降は、Windowsの場合を例に解説します。

 

ドライバインストール方法

  1. ドライバをダウンロードするには、会員登録(myCONTEC)が必要となります。コンテックのホームページにアクセスして、会員登録を行います。
  2. https://www.contec.com/jp/download/ にアクセスして API-AIO(WDM) を検索し、API-AIO(WDM) のページにアクセスしてください。なお、API-AIO(WDM) for USB は古いドライバであるため、今回の評価では使用しないでください。
  3. 「サポート・ダウンロード」のページから「Windows版高機能アナログ入出力ドライバ API-AIO(WDM) 開発環境(フルセット)」を選択してダウンロードしてください。
  4. ダウンロードしたファイルを展開し、「¥INF¥WDM¥Aio_ForWin10¥Setup.exe」のインストーラを実行してください。

 

 

接続、配線の説明

PC 側のドライバの準備ができたので、各デバイスを接続していきます。

 

センサとアナログ入力デバイスの接続

同梱しているインターフェイスコネクタ(コネクタプラグ)を使用して、各接続ケーブルと結線できます。ケーブルの被覆部を9mmから10mm程度ストリップし、線材をインターフェイスコネクタの開口部に挿入します。マイナスドライバーで線材の固定ネジを回して、線材が抜けないように固定します。その後、インターフェイスコネクタを製品本体に接続してください。
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EIC-122EAとAIO-160802GY-USBの信号結線表は以下のとおりです。

 

 

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アナログ入力デバイスとPCの接続

添付のUSBケーブルを使用し、パソコンのUSBポートに AIO-160802GY-USB を接続してください。
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センサと外部電源の接続

センサ駆動には電源として、DC12-24Vが必要となります。直流安定化電源やACアダプタ等から、センサのVcc(赤線)とGND(黒線)に接続してください。

 

 

動作確認

診断プログラム起動方法

  1. デスク画面左下のWindowsマーク(スタートボタン)を右クリックして表示されるメニューから[デバイスマネージャ]を起動します。
  2. CONTEC Devicesツリーの下に登録されたAIO-160802GY-USBを選択し、[プロパティ]ボタンをクリックします。
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  3. デバイスのプロパティページから[診断]ボタンをクリックして、診断プログラムを起動します。
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  4. 診断プログラム上で、入力データの確認ができます。初期状態では入力チャネルは0chであるため、X軸傾斜の電圧値を測定することができます。Y軸傾斜の電圧値を測定したい場合は、入力チャネルのコンボボックスから1chに変更することで測定できるようになります。水平状態であれば2.5Vとなり、センサを傾けることで電圧値の変化を測定できるようになります。img-3688-9

 

 

まとめ (計測データの活用/応用分野等)

今回は、診断プログラムを使用した現在値の読み取り方法について説明となります。API-AIO(WDM) をご使用いただくことで様々な開発言語を用いて自作のアプリケーションから、一定周期や任意タイミングでのサンプリングが可能となります。詳細は、ヘルプ及び、サンプルプログラムをご参照ください。その他にもご使用の環境、用途に応じて Linux 用のデバイスドライバである API-AIO(LNX) 、データロガーソフトウェアである C-LOGGER、LabVIEW用のVIライブラリである DAQfast for LabVIEW などもご使用いただけます。

 

 

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